2023年10月3日、公益財団法人西日本新聞文化財団より西日本文化賞の受賞者が発表され、「長崎の蘭学者?志筑忠雄の訳書「鎖国論」研究などを通じ、蘭学史上の九州の重要性を明らかにした功績」により、本学文足球彩票の大島明秀教授が第82回西日本文化賞?奨励賞(学術文化部門)を受賞しました。
https://nishinippon-zaidan.or.jp/topics/223/
西日本文化賞は、九州、沖縄出身または在住している個人あるいは九州、沖縄で活動している団体を対象に、文化、芸術、学術等の分野において、顕著な業績のあった方々に贈られるもので、長年の業績と功労に対して贈られることもある賞ですが、大島教授の授賞理由は以下の通りです。
「もともと「鎖国」という言葉はなく、長崎の阿蘭陀通詞だった蘭学者?志筑(しづき)忠雄(1760~1806)が後世に生み出した造語だった-。
主著の「『鎖国』という言説」は、出島に滞在したドイツ人医師の著書「日本誌」を志筑が部分訳した「鎖国論」の大量の写本を分析し、鎖国という概念が国学者らにどのように解釈されていったかを読み解いた。考察は、帝国主義を推し進めた明治以降の歴史教科書で、鎖国が否定すべき非文明的な時代として描かれたことにも及び、現代人の対外意識をも縛っている「鎖国」観に一石を投じた。
近著の「蘭学の九州」でも志筑らの業績を紹介するとともに、蘭学の嚆矢とされる杉田玄白らの「解体新書」に先駈けて西洋外科書が和訳されるなど、九州は蘭学の最先端であったことを明らかにした。」(西日本新聞文化財団HPより)