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「高度グローバル人材育成プログラム」学生隊員現地レポート【タイ便り vol.2(德久桃花さん)】

【タイ便り vol.2】

文学研究科日本語日本文学専攻 博士前期課程

德久桃花

 任地に着任して約3ヵ月が経ちました。配属先の様子と活動計画についてお伝えします。

【配属先について】

 私は全校生徒約2000名、教員約140名の中高一貫校に配属されています。タイの学校制度では「カナートヤーイ」(大規模学校)に位置づけられていて、郡内では3番目に大きい学校です。私の母校も中高一貫校でしたが、それよりもはるかに広い敷地で驚きました。教員は学校内を車やバイクで移動しますが、生徒たちは徒歩なので、いつも10分ほど遅れて授業にやってきます。

 私が所属する外国語足球彩票は、英語科、中国語科、日本語科、ベトナム語科の4つに分かれています。タイの中等教育機関では第二外国語教育が推進されているため、生徒は英語の他に外国語を1つ選択して勉強しなければなりません。配属先では、現在約400名が日本語を学んでいます。タイ語と日本語の言語間距離は大きいですが、日本のアニメや漫画、音楽などポップカルチャーの人気が高いことが学習動機に繋がっているようです。

 タイの生徒は日本の生徒とはまた違った印象を受けます。生徒たちはとても明るくて素直です。校内で会うと積極的に日本語で話しかけてくれますし、私の拙いタイ語にも真摯に耳を傾けてくれます。また、一緒にお昼ごはんを食べたり、プライベートな話をしたりなど、教員と生徒の距離はとても近いです。生徒とおしゃべりをする時間は、私にとって癒しのひとときとなっています。

 配属先に着任して約3ヵ月が経過し、仕事にも徐々に慣れてきました。人との距離感や時間感覚の面で、日本とのギャップに驚くこともありますが、今のところ「タイっぽいなぁ」と受け止めることができています。今後もタイの文化に適応しつつ、コミュニケーションを通して配属先との信頼関係を築いていきたいです。

【活動計画】

 現在、高校1年生から3年生の授業(新出単語?漢字などの導入や会話練習など)を週に15コマ、正規の授業以外に日本の文化について学ぶ日本語クラブを週に1コマ、日本語能力試験N5対策授業を週に2コマ担当しています。授業は基本的に現地の先生とのチームティーチングで行いますが、場合によっては1人で担当することもあります。

 配属先での活動にあたり、私は大きく二つの軸を設定しました。一つ目は、「生徒の日本語能力の底上げ」です。生徒が授業で学習している内容のレベルと、実際の日本語能力には乖離があります。特に、ひらがな?カタカナの読み書きに苦手意識を持つ生徒が多く、大きな課題となっています。そのため、文字と音をマッチングさせる活動や、字形に注意を向けたアクティビティなどを授業に取り入れ、確実に文字を定着させることを目先の目標としました。一人一人の生徒に向き合いながら、少しずつ使える日本語を積み上げていきたいと思います。

 二つ目は、「異文化理解の促進」です。日本語科の生徒のほとんどは、高校卒業と同時に日本語学習から離れます。そのような現状を考えると、生徒の日本語能力の向上を目指すことはもちろんですが、日本語学習を通した異文化理解教育の必要性も強く感じます。日本人との交流会や日本文化体験が、自身の価値観を振り返り、相手の文化的背景や社会ルールについて理解するきっかけとなるよう、今後活動内容を提案していくつもりです。

 配属先での活動期間はすでに1年を切りました。短い時間の中でできることは限られていますが、配属先に少しでも何かを残せるよう、自分ができる精一杯のことをやり遂げたいと思います。

お問い合わせ先

国際教育交流センター

FAX:096-234-6967